今回は、海外製の各種気象測器の中で温度計を採り上げてみました。
日本では百葉箱を利用して気温の観測を行う施設は少なくなってきましたが、東南アジア等ではまだまだ百葉箱を利用する例が多く見られます(右の写真を参照)。
しかしながら世界的には、自然通風式や強制通風式のシェルタの中に白金測温抵抗体の感部を実装したタイプの温度計がほとんどで、それらメーカとして、以下の各社が有名です。()内は本拠地
①Adolf ThiesGmbH & Co.KG(ドイツ)
②Apogee Instruments,Inc.(米国)
③LSI Last-ems.r.l.(イタリア)
④Met One Instrument,Inc.(米国)
⑤Observator Instruments PtyLtd(オランダ)
⑥Pulsonic(フランス)
⑦Theodor Friedrichs & Co.(ドイツ)
いずれも精度を改善するため、工夫や改良された形跡を見てとれるものが多いように感じます。
また温度計には一緒に湿度計を組み込んだ製品も多く、そのタイプとしては以下の各社のものが有名です。
⑧Barani Design Technologies sro(スロバキア)
⑨E+E Elektronik(オーストリア)
⑩Felix Technology Inc.(カナダ)
⑪R. M. Young Company(米国)
⑫Rotronic AG(スイス )
⑬VAISALA(フィンランド)
通風筒はメーカによりさまざまで、日本国内ではあまり見かけない珍しい形状のものもあります。
温度計の出力として白金センサ(Pt100)の値を直接出力するもののほか、電圧や電流のアナログ信号として出力するもの、また RS-232/422/485, MODBUS, SDI-12 などのシリアル信号として出力するタイプの機器も見受けられます。

東洋電子工業株式会社 田村直美